ツァラトゥストラはこう言った 上

前に挫折して、経験を積んでから読み直したら案外読めた。読書には響く心理状態と実感がいる、という当たり前を実感した一冊。坂口安吾『堕落論』と重なって見えた。
読んだ経緯
前にも読もうとして挫折した記憶がある。あらためて読み直したら、若干の実感が伴って案外気軽に読めた。
得たもの
読書には、それが響く心理状態と、伴う経験・実感がいる、という月並みだが実感した事例になった。何かしら強い感情が生起した経験に、それに関連する本を当てて反芻し言語化していく、というサイクル。自分は中学生のときに偶然この手法にたどり着いたが、その後は感情が揺さぶられすぎない環境を選んできた気もして、反芻のきっかけを自分から減らしていたかもしれない、という後悔混じりの気づきもあった。
内容としては、『堕落論』と重なって見えた。個より外側から生を規定されることへの抵抗、外から与えられる規則からの逸脱(堕落/没落)をむしろ喜んで引き受けよう、という逆転。一方で、自律や主体性を賛美する現代でこそこの問いは重みを増してくる、とも思う。
どんな人に
一度挫折した人が、何年か経ってから再挑戦するのにちょうどいい。坂口安吾と並べて読むと発見がある。氷上訳(岩波文庫)の上巻。
ISBN 9784003363928