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選べなかった命
選べなかった命 の表紙

選べなかった命出生前診断の誤診で生まれた子

入手 2026.09.27読了 2026.09.27★★★★★

出版社
文藝春秋
出版年
2018 年
ページ
245 p

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出生前診断をめぐる一つの事例が、生命倫理・法律・当事者たちの複数の立場から多角的に描かれていて、単なるノンフィクション以上の読み応えがあった。

読んだ経緯

マタギの本を読んでいる中で、命の始まりと終わりのことを考えるようになった。出生前診断・ダウン症・「産む/産まない」の選択という、命の始まりの当事者的な決断の重さを扱ったノンフィクションとして手に取った。

印象に残ったこと

産む/産まないをめぐる話なのに、当事者の立場は一枚岩じゃない。中絶した人、しなかった人、できなかった人、障害がわかってもあえて産んだ人。優生保護法の歴史や母体保護法の法的な曖昧さを踏まえた上で、アメリカのロングフルライフ訴訟との対比まで含めて考えさせる構成になっていて、単なる事例紹介のノンフィクションとの違いを感じた。

考えたこと

母体保護法が認めているのは経済的理由による中絶で、実務では障害がわかった場合の中絶もそこに乗っている。その奥には「生まれた子は親が育てるもの」という前提が暗黙にセットになっていて、生きる権利と親による養育が密結合になっているのが気になった。育てるのが親でなく社会であってもいいはずで、産む/産まないの選択と誰が養育するかは本来別の話だと思う。生命倫理の話に見えて、実はまだ「養育義務・責任の所在」という言葉で語られていない話なんだと思う。


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ISBN 9784163908670