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アダム・スミス 『道徳感情論』と『国富論』の世界 (中公新書)
アダム・スミス 『道徳感情論』と『国富論』の世界 (中公新書) の表紙

アダム・スミス 『道徳感情論』と『国富論』の世界 (中公新書)

入手 2013.10.12読了 2013.10.19★★★★★

出版年
2008 年
ページ
320 p

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「神の見えざる手」の人ではなく「公平な観察者」の人として読むと、スミスの像が変わる。財産への道と徳への道の同時追求、という条件つきの自由主義。

読んだ経緯

ブログ移行前に書いた記事の再掲がもとで、学部の頃に読んだ。経済学の成り立ちを、教科書的な「自由放任の元祖」像から捉え直したかった。

得たもの

スミスは「同感」を人間の本性に置き、他人を観察し/観察される経験を通じて胸中に判断基準(公平な観察者)を形成していく、というところから経済学を組み立てている。富の追求(財産への道)は認めるが、それは胸中の公平な観察者が許す範囲に限られ、徳への道を同時に歩むことが条件になる。「神の見えざる手」だけを取り出すと、この条件が抜け落ちる。

正義に反するなら規制されたほうが望ましい、とスミス自身が言っている。この一点は、自由主義経済の論拠としてスミスを引く場面を見るたびに思い出す。『正義のアイデア』の「開放的不偏性」ともつながる。

どんな人に

「見えざる手」のイメージでスミスを止めている人。経済学と道徳哲学のつながりを知りたい人。新書で読みやすい。


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ISBN 9784121019363