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スマホ時代の哲学 失われた孤独をめぐる冒険
スマホ時代の哲学 失われた孤独をめぐる冒険 の表紙

スマホ時代の哲学 失われた孤独をめぐる冒険

入手 2026.01.01読了 2026.01.02★★★★☆

出版年
2022 年

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SNSに浸っている状態は「孤独」ではなく「寂しさ」。診断と処方を切り分けて読むと精度が上がる、という構えが残った。

得たもの

アーレントを引いた〈孤立〉(他者から切れて何かに集中している状態)/〈孤独〉(沈黙のうちに自分自身と対話する状態)/〈寂しさ〉の三分法。「SNSや動画に没頭しているときこそ孤独だ」という感覚は、この区分だと孤独ではなく寂しさに近い、という指摘が印象に残った。

もう一つは読み方の構え。この本は前段のメタ哲学(他者の想像力を借りる)と中盤の政治経済(ポストフォーディズム、自己啓発批判、抑鬱的快楽)が、後段の処方箋(趣味で孤独を回復する)を支えている。「令和人文主義」みたいなラベルは陣営があるように見せてしまうので、記述(診断)と規範(処方)に分解して読むほうがいい。

個人的には、紅白歌合戦を観ていた時間が意外とこの「自己対話」に近かった、という気づきが残った。視聴自体は受動的でも、スマホを断って外的刺激に心の動きをメタに観察していた。

どんな人に

スマホと注意・思考の関係を、ライフハックではなく哲学の言葉で捉え直したい人。「令和人文主義」的な盛り上がりに乗る前に、その診断と処方を切り分けておきたい人。『なぜ働いていると本が読めなくなるのか』と一緒に読むと、両方の「余白」論の当たり外れが見える。

いつ読むか

三宅香帆や東浩紀の周辺を追い始めるときの最初の一冊に。何かを作る趣味を持っている(持ちたい)時期だと、後半の「ネガティヴ・ケイパビリティ」の話が自分ごとになる。


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ISBN 9784799329139