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平和と愚かさ
平和と愚かさ の表紙

平和と愚かさ

入手 2026.01.02読了 2026.01.18★★★★★

出版社
ゲンロン
出版年
2025 年
ページ
500 p

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平和とは「戦争の不在」ではなく「考えないで暮らせる領域」。その定義が訂正可能性に晒され続ける、という不安定さがずっと頭に残る。

得たもの

一番大きいのは「共生の平和/隔離の平和」という軸。多民族の共生を理想化する語りの背後に、隔離(境界線の固定、ときに民族浄化)によって成立した「秩序としての平和」がある。その上から普遍を語るリベラル(=世界、という暗黙の前提)は、自分が立っている場所のコストにどこまで自覚的だったのか、という問いを持って読むと、国際政治のニュースの見え方が変わる。

もう一つは、哲学と自分の距離について。分析哲学寄りの感覚だと哲学は人生から遠いものだと思っていたけれど、時代の潮流とその哲学的な解釈という「全体」を一度通ったあとに自分を当てはめると、ちゃんと自分に返ってくる。安い人生論的な哲学(『動物化するポストモダン』以降の東浩紀を追ってきた身としてはファスト教養的なもの)が苦手だったのは、全体を通らずに表面だけで一周回ってこないからだ、と言語化できた。

どんな人に

「令和人文主義」や東浩紀の現在地が気になる人。ウクライナやガザのニュースを「加害/被害」の二分法だけで処理することに座りの悪さを感じている人。実地を歩いた紀行文なので、戦争博物館やダークツーリズムの記憶がある人は、それと重ねて読める。

いつ読むか

『訂正可能性の哲学』あたりまでの東浩紀を通ってから読むと、20年以上同じ問いを彫り続けているのが見えて面白い。旅の途中や、旅から帰ってすぐの、まだ現地の空気が残っているうちに読むのも合う。


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ISBN 9784907188672